2017年度立教大学池袋クリスマス実行委員会

顧問チャプレン 中川英樹

 

「つながり  -他力に生きる-」

 

 

 

科学技術に支えられて急速な近代化が推し進められる中で、多くの人びとの生活から「神の実感」が消え去りました。人びとはかつて雨を求めて神に祈りましたが、今や人びとはそれを人工的に造り出そうとします。かつて、人びとは豊作を求めて神に願いましたが、今や農業の科学的技法が、願望通りの結果を生み出していきます。かつて、人びとはさまざまな病いの癒しを神に懇願しましたが、今や現代医学が病気と闘う最も効果的な方法となりました。

 

近年、人びとの多くがそうやって生活の直中から神を喪失した結果、ものごとをすべて原因と結果、因果律でしか理解できなくなったようにおもいます。それゆえ、人びとは諸課題・諸問題の原因を究明し解決するためには、自己の思考スキルを磨き、知識水準を向上させることが一番の早道だと信じ込むに至りました。問題解決力、人間力なる言葉が飛び交い、それを手に入れた人間こそが、この世界・社会を恰も支配できるような風潮が今は支配的です。確かに個々の「自力」は向上したかもしれません。しかし本来、人の「生きる」という営みは、計画や予想、因果律などでは推し量ることのできないほど雄大で深遠なものです。そこには「自力」ではどうすることもできない「生」そのものへの畏敬があるからこそ、神への「祈り」が必要であったし、神という「他力」の執り成しが大切にされてきたのです。尊厳ある「生」を前に、先輩たちが大切にしたことは「自力」ではなく「他力」です。歴史は、たった一人で頑張って生きることではなく、他者とともに「つながって」生きることの大切さを教えてきました。判らないから教えて、できないから助けて、怖いから一緒に来て・・・・・ そうやって他者を頼るということ。それは一人で何でもできることより、遥かに尊く美しく気高いことだと思います。

 

 今年の池袋クリスマス実行委員会のテーマは「つながり」です。クリスマスぐらい、「自力」で頑張ることをせずに、「他力」に身を委ねて、自ら等身大で生きられるように「優しさ」をプレゼントしてみては如何ですか。私たち委員一人一人は、池袋キャンパスのそこかしこで、その「優しさを配る」お手伝いができたらな、と願っています。